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「胃カメラ」という言葉を聞いただけで胃が痛む人へ
「胃カメラ」という言葉を耳にしてあなたが最初に思い浮かべるのはどんなイメージだろうか?
中には「胃カメラ」という言葉を聞いただけで胃が痛むという人もおられるのでは?
そこまでいかなくても、胃カメラに対して良いイメージを抱いている人はほとんどと言っていいほどいないのではないだろうか。
かくいう私も、胃カメラに対してあまり良いイメージを持っておらず、
胃カメラを挿入しなくてすむのならできるかぎり挿入せずにすましたいと思っている。
なんだかよくわからないまま台の上に横にされ、「地中探索に使うのか?」と思えるくらい長く、
そして不吉なほど黒々としたコードが咽喉もとを通って胃の中に侵入してくる・・・。ここまで文章を書いてきて、
私も背筋がゾッとしてきた。しかしこれこそ、大半の人が「胃カメラ」に対して抱いているイメージなのではないだろうか?
だが、このような「胃カメラ」のイメージがいま変わろうとしている。
従来のコード型に代わる新しい胃カメラ(正確に言えば内視鏡)としてカプセル型の胃カメラの開発が進み、
その導入が検討されているのだ。これはかなり画期的なことである。この胃カメラは錠剤と同じようにただ飲み込むだけでよいため、
従来の胃カメラでは必要不可欠であった咽喉の表面麻酔を必要としない。
そして飲み込まれた後は胃や腸の蠕動運動により体内を進行しつつ、消化管の映像を自動的に撮影する。
バッテリーは内在しておらず、外部から電力を無線で送るために患者はコイルを巻いたベストを着用する。
このように電源を外部に設置している理由は、「バッテリーが人体に有害な物質を含んでおり、
体内に長時間入れておくのは危険」であり、かつ「仮に人体に無害なバッテリーをつくることができたとしても、
バッテリー自体も必然的に超小型なものになってしまい、長時間の作業には耐えられない」からである。
このベストの内部にあるコイル配置の工夫により、逆方向へ進んだり、ピントを調節したりすることも可能で、
医師は外部で操縦しながら画面を見ることができる。
また、この胃カメラによる撮影は8時間ほど続くのだが、その間も患者は家事など普段通りの生活をおくることができる。
そして、8時間たった後は排便とともに体外へ放出される(ここでどのようにして回収するのかが今後の課題でもあるのだが)。
しかもこの胃カメラ、かなり高度な技術を要するはずなのに1個1万円以下で生産できるそうだ。
このように、従来の技術の欠点を乗り越えるかたちで新しい技術が開発されるという、
科学技術の日進月歩な発展には本当に目を見張るばかりである。日常生活においてはもちろんのこと、
検査など非日常的な場面でもQOLが声高に叫ばれ、それに科学が応える―これからはそんな時代になってくるのかもしれない。
(文責 須佐美智博)
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