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満渕研究室取材同行記


2.実験1: マイクロニューログラフィ

スリッパを履いて入ると、わりと奥に深い部屋でした。手前右側に、ノートパソコンを並べて作業している割と若い三、四人の一団がいて、手前左側にはビデオカメラがあって、記録を撮っている様子です。その視線の先、部屋のまんなかに左を向いた椅子があり、立花さんはそこに座りました。右腕を台に乗せて、さっそく超音波エコーで腕の中を撮影されています。腕にゲル状のものを塗っていたのは、たぶん、空気との界面が邪魔なためでしょう。その上からバーコードリーダーのような形の機械をあてると、画面には、腕の断面が白黒で映りました。神経内科の先生が、これが神経です、と画像を指すが、どれが神経だか僕には区別がつきませんでした。

刺し込む針とは別に、手首に平らな電極を張り、二の腕にも電極を取り着けていました。活発に変化する神経の電位を測る際の基準として、あまり変化しない皮膚の電位を使うためのようです。また興味深いことに、これから電極を立花さんの腕に刺す医師も、手首に電極を着けていました。静電気によるノイズを防ぐためのようです。

超音波エコーで見ながら腕に針を刺していきました。タングステンでできた針は、先端を除いてコーティングされていて、その先端部が電極として機能するといいます。 針がゆっくり進むにつれ、スピーカーからプツプツ音がしたり、ザーザー音がしたりしました。針先の電位の変化を増幅して聞いています。これは針が進むときのノイズだと説明されました。

このとき電極を刺そうとしている腕の正中神経では、 (数百万ではなく)数万本の神経線維が束になっています。この束は直径数mmで、膜に覆われています。

立花さんに、束に電極の先が達すると、驚いて腕を思わず動かしてしまいそうになるような感覚があるから、それでも動かないように、と注意がありました。しばらく経って、果たして立花さんは「うわっこれか」と声を上げました。しかし、すぐに慣れた様子でした。


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