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満渕研究室取材同行記


5.実験2: ロボットアームを動かす

もうひとつの実験は、筋電を測ってロボットアームを制御する実験でした。筋電は、筋肉が収縮するときに生じる電位の変化ですが、運動神経の1パルスと筋電の1パルスは対応するので、いずれ神経から直接計測した信号でロボットアームを制御するための、基礎的実験としての意味があるということでした。

この実験には2つの段階がありました。まず、腕の4箇所で筋電を測りながら、被験者が手の指を動かしているときの指の角度変化と筋電信号を対応づけます。次に、その対応を利用して、拾った筋電信号が手の指の角度をどの角度にするつもりで発せられた信号であるかを計算して、ロボットアームを動かします。

最初の、筋電と指の角度を対応づける作業をするときには、筋電を測るための電極を4本腕に刺し、さらに、手にサイバーグローブという装置を着けます。サイバーグローブには、指の角度が計測できるセンサーがついています。

手前右側に、最初、ノートパソコンを並べて作業していた若い三、四人の一団は、その筋電の信号と指の曲がる角度とを対応づけるソフトを作っている、東京大学の学部の工学部計数工学科や、院の情報理工学系研究科の人たちでした。

そのソフトの新しい版を作っている最中だったせいでうまく動かなかったり、多少のトラブルがありましたが、第一の段階は1時間かかりませんでした。

続いて、いよいよロボットアームを動かしました。ノートパソコンに信号が入るようにしてプログラムを実行すると、画面に数字が1秒に10個程度のはやさで流れました。これは、筋電信号から指の角度を推定した数値だそうです。この数値に合わせてロボットアームを制御しているそうで、実際、 1秒近い遅れはありましたが、被験者が手を開くとロボットアームも開き、閉じると閉じていました。単に開く/閉じるのスイッチではなく、手の開き具合も追随しているように見えました。

この実験も、電極がずれると途端にうまくいかなくなることがあるそうで、急いでNHKの取材班を呼びに行って、撮影してもらいました。

この段階では、サイバーグローブからの実際の指の角度の情報は使っていないので、サイバーグローブを外しても動作するはずですが、サイバーグローブを外すときに電極がずれてしまうおそれがあるので、装着したまま、撮影してもらっていました。

その日は結局、12時半近くまで見学していて、ぎりぎりで終電に乗って帰りました。

たいへん興味深い経験ができたこと、満渕研究室の関係者のみなさまや、こころよく同行させてくれた立花さんたちに感謝します。

それと、このときのことを立花さんも書いています。

(文責 平井洋一)


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