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満渕研究室取材同行記


4.ロボットアームとつなぐ

ここまでは、周波数と振幅を直接指定した刺激を神経に加えていましたが、次に、ロボットアームの指先につけたセンサーの押された圧の強さに応じて、立花さんの神経を刺激する段階に入りました。ロボットアームの指先が強く圧されるほど、たくさんのパルスが立花さんの腕の中の電極に伝わる仕掛けです。この間、振幅は変えないそうです。

実際の神経線維を伝わる電気信号も、頻度の大小で情報を伝えていて、インパルスひとつひとつの大きさは変わらないので、その真似をしているそうです。

満渕研の人がロボットアームの指先を押したりやめたりしている横で、立花さんが、「うん、来ている来ている」「あ、それはちょっと強い」とか言っていました。その様子をNHKの人が撮影していました。

撮影が済むのを待って、思い付いたことを言ってみました。「立花さん、自分の左手でロボットアームのセンサーを刺激してみたらどうですか。」

自分の左手で押した結果を、神経への刺激で受け取るというループを作ってみたら面白そうだとふと思いました。あまり嬉しい感覚だと、ハマってしまう心配もあると思いましたが、この実験で立花さんが感じていたのは、それほど嫌にもならず、嬉しくもならない感覚だったようなので、この提案をしてみました。

さっそくロボットアームが立花さんの近くに寄せられました。立花さんが、左手でロボットアームの指先を刺激して、右手に生じる感覚をたしかめています。立花さんの感想は、「ちゃんとこの仕組みが自分の頭でわかっていて、この刺激が自分でコントロールできると、すぐにこのロボットアームも自分のものになったような意識が生まれてくると思う。たとえ最初はぴりぴりした電気刺激のようなものであっても、一番可塑性があるのは脳なのだから。」というものでした。

ここで僕が思い出したのは、Jeff Hawkins: On Intelligenceという本にあった、カメラで撮った映像を、舌に圧力として伝える装置の話で、その装置を着けた人は、しばらくして、舌経由の視覚を使えるようになったそうです。

ここまで撮影して、次の実験の準備の間、立花さんとNHKの人は、満渕教授とのインタビューを撮影するということで、別室に行っていました。僕は次の実験も準備から見たかったので、部屋に残っていました。


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